こんにちは! AI動画クリエイターのナナスケです。「AI 加工所」へようこそ!
前回は、夜のマンハッタン橋を舞台にしたドローンでの空撮に挑戦し、撮影高度こそ意図通りではなかったものの、雰囲気のある美しい映像を生成することに成功しました。「もしかして、空撮は Veo 2 の得意分野なのかも?」そんな淡い期待と、さらなる映像表現への探求心を胸に、今回はより高度なカメラワークに挑戦してみることにしました。
目指すは、プロの撮影現場でも使われる「オービットショット」! 走行中の赤い’73 ダッジ・チャレンジャーの周りを、ドローンが滑らかに一周するという、あのカッコいい映像です!
目指すは映画のワンシーン! ダイナミックなオービットショット!
映画やCMなどで、被写体の周りをカメラが円を描くように移動しながら撮影する「オービットショット」。被写体は動きつつも、カメラは滑らかに周回することで、静と動が融合した非常に印象的な映像になりますよね。これを Veo 2 で再現できたら最高だ!と考え、挑戦してみました。
ナナスケのリクエスト:(難易度アップ!)
次はチャレンジングな撮影を赤いチャレンジャーでしたいと思います。
- シチュエーションは夜のニューヨーク(マンハッタン)橋。
- ドローンビュー、上空10メートル程度の高さを指定。
- ドローンが走行中のチャレンジャーの周囲を一周する視点を設定。
Gemini 2.5 Proによるプロンプト案(オービットショット特化):
今回もGemini先生に相談し、オービットショット実現のための詳細なプロンプトを作成してもらいました。
(プロンプト要約) 夜のマンハッタン橋上空、高度約10mを維持したドローンが、走行中の赤い’73チャレンジャーの周囲を滑らかに360度周回飛行する。ドローンは車とペースを合わせ、前方・側面・後方からのアングルを捉える。背景には橋の構造物やマンハッタンの夜景が、周回に合わせて変化して見える。カメラは絶対に静止せず、かつ単純な追従だけでもない、滑らかな周回軌道を描くことに焦点を当てる。
…といった内容で、「オービットショット(orbit shot)」「360度周回(360-degree orbit)」「走行中の車を周回(circling moving car)」「高度10m維持(consistent altitude)」といったキーワードを強調。さらに、「カメラは静止しない」「単純な追従ではない」「高すぎる/低すぎる高度ではない」といったネガティブプロンプトも多数設定し、AIに複雑なカメラワークを指示しました。
しかし、果たして Veo 2 はこの高度な要求に応えてくれるのでしょうか…?
やはり難しかった… オービットショットは再現できず
そして、生成された動画を確認。結果は…うーん、やはりこのレベルのカメラワークは、まだ難しかったようです。
生成された動画の結果:
- ドローンの高度は指定した10mよりかなり低い、約2m程度になってしまいました。(前回の課題、再び…)
- そして、肝心のカメラワークは、期待したオービットショット(周回飛行)にはならず、車の少し前方から追従する、比較的単純なものになっていました。
被写体(チャレンジャー)や背景(夜景)の描写は非常にリアルなのですが、プロンプトで最重要視した「オービットショット」というカメラの動きは、残念ながら再現されませんでした。
【🎬 生成された「オービットショット失敗」動画】 期待した周回飛行ではなく、低空からの前方追従映像でした…。
AIの現在地と、未来への期待
今回の挑戦から見えてきたのは、現状の Veo 2 にとって、「動き続ける被写体の周囲を、指定された高度や軌道で、滑らかにカメラが動き続ける」といった複雑なカメラワークを正確に再現するのは、まだ非常に難しいタスクである、ということです。
AIが空間、動き、そしてカメラ自身の位置と軌道を同時に、かつ高次元で理解し制御するのは、多くの計算と学習が必要なのでしょう。
しかし、ここで悲観する必要はありません!
オービットショットは実現できませんでしたが、生成された映像の**「画質」や「リアルさ」**自体は、目を見張るものがあります。光の反射、車の質感、夜景の雰囲気…これらの基礎的な描画能力は、本当に素晴らしいレベルに達していると再認識できました。
AIの進化は日進月歩です。今日できなかったことが、明日にはできるようになっているかもしれません。いつか、私たちの想像力を遥かに超えるような、自由自在なカメラワークをAIが実現してくれる日が来ることを、楽しみに待ちたいと思います。
未来への「予報」として
今回の失敗は、Veo 2 の「限界」を示すというより、むしろ「現在地」を示し、未来への「予報」を示唆するものだと捉えています。今日の制限は、明日の可能性の裏返しです。
これからも Veo 2 と共に、試行錯誤を繰り返しながら、AIによる動画制作の新たな地平線を切り開いていきたいと思います。
次回は、この経験を踏まえ、もう少しシンプルなカメラワークに戻しつつ、Veo 2 の得意な「高品質な映像生成能力」を最大限に引き出すような企画に挑戦する予定です。
引き続き、Veo 2 との刺激的な対話(時に格闘?)を、この「AI 加工所」でお届けしますので、次回の記事もぜひお楽しみに!
今回も読んでいただき、ありがとうございました! ナナスケでした。
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